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「専門店の集合体」目指し売り上げ増か ビックカメラが好調のワケ - livedoor

海外のEC専業企業に負けず業績好調のビックカメラを取材した。'68年に群馬県高崎市で創業、現在はコジマやソフマップも傘下に収める。特徴は非家電分野の成長。医薬品、日用雑貨、スポーツ用品などが軒並み売り上げ10%以上の伸びを見せている。好調の理由を、現場叩き上げの宮嶋宏幸社長(60歳)に聞いた。

ビックカメラの宮崎宏幸社長

好調の理由

'92年にオープンした池袋本店でお酒やおもちゃ、スポーツ用品をはじめとする非家電商品の販売を始めたことが、会社にとって転機になりました。

当時の基準では超大型店舗で床面積にも余裕があったため、「ワンストップで様々なニーズを満たせる店舗にしよう!」と考えたのです。どのカテゴリーでも品揃えを充実させていくと、その後、例えばお酒は赤坂見附駅店等では試飲コーナーを設けるほど人気化しています。

人生と同じで、真剣に長くこだわり続けると思わぬ結果が出るのでしょう。

好調の理由は、「専門店の集合体」を目指しているからだと思います。元は名前の通りカメラ専門店で、知識豊富な店員がいて、関連アクセサリーまで何でも揃うことが売りでした。その後、時代が変わって、家電やデジタル機器の売り上げが伸びてもこの特長を活かし続けました。

「何でも揃う」を実現するため、たまにしか売れない品も展示しています。そして、お客様が時には店員と会話し、商品を手にとりつつその分野を深掘りできるようにしたのです。

かなり昔の話ですが「ビックカメラ」の「カメラ」という名称を変えたらどうかと議論になったこともあります。しかし「ビックカメラは専門店です」という矜持を一言で表す社名なのかな、と考え、あえて残してあります。

買い物はレジャー

実家はお菓子の問屋でした。そのためか商売に馴染みがあったのでしょう、学生時代、メーカーから派遣されて総合スーパーの家電製品売り場でアルバイトをすると、なぜかよく売れたんです。私が「モノを売る仕事が合っているのかもしれない」と思ったのはこの時でした。

その後、当社で天職に恵まれ、今も現場で接客したくなるほどです。ちなみに私の「売るコツ」は隙を見せることでした。このお客様は何か質問したいのかな、と感じたら、お近くによって隙を見せ、その方が「すみません、これって〜」と話しかけやすい雰囲気をつくるんです。

創業者もよく言っていますが「買い物は最高のレジャー」です。そしてレジャーだからこそ進化も速い。

例えば当社は最近、プライスカードを紙から電子ペーパーへ進化させました。お客様は競合店やネット通販の価格を常に気にしてお買い物をされます。我々も最も魅力的なお値段を提示するため、商品によっては一日に何度も価格を変更します。

店内装飾や販促を担当していた当時の写真。この頃の活動が、ビックカメラ成長の基礎となった

そんななか、プライスカードを電子化すれば、表示価格を全国一律、しかも瞬時に変更できます。価格変更の作業も大幅に簡略化され、店員の接客時間を増やすこともできます。

さらに、当社のアプリをダウンロードし、スマホでプライスカードにタッチすれば、その商品のお客様の評価など詳しい情報がわかるようにしてあります。今後も店舗のエンタテインメント化は続くと思います。

どんなお店を訪ねても、店舗の運営が気になります。「いい店」には清潔感があります。一方、運営側の気持ちが乱れていると、必ず現場に表れるものです。

経験上、売り場より先に従業員用のロッカー、レジカウンターの内側など、お客様の眼に触れない所から乱れ始めます。そしてこれらは業績と連動します。だから私は当社店舗を訪ねる時、商品が整然とまっすぐに棚に並んでいるか、見えない所にホコリが落ちていないかなどを気にします。

トップとしてありがたいのは、創業者が「つかず離れず」でいてくれることです。アドバイスを求めれば相談に乗ってくれますが「指揮をとる人間が2人いると組織が混乱する」と普段は別の建物にいます。

私たちが決めたことは、「うまくいかないかも」と思っても尊重してくれます。ある時「口を出さないのも忍耐力がいるんだよ」と言われましたが、それが本音だと思っています。そして、ただ見守ることがどれだけ大変で、暖かいことかも理解しています。

ビックカメラは、進化し続ける専門店の集合体です。日用品やお酒の販売だけでなく、例えばユニクロさんとコラボして新宿に「ビックロ」を出店しています。これによりビックカメラにも女性のお客様が増えました。

売り場の取扱品目も変わり続けており、最近はいち早く「パワーアシストスーツ」(重いものを持つ時に動きをアシストしてくれる装着型の機械)の販売もしました。

さらに新たな試みとして、若者の感性をキャッチし「ビッカメ娘」というキャラも誕生しました。店舗が「さっぽろたん」(札幌店)、「鹿児島たん」(鹿児島中央駅店)などと擬人化され、SNSのフォロワーは44万人もいるんですよ。

これからも変わり続ける当社にご期待下さい。
(取材・文/夏目幸明)

宮嶋 宏幸(みやじま・ひろゆき)
'59年、長野県生まれ。'84年に法政大学文学部を卒業し、大卒一期生としてビックカメラへ入社。その後店舗開発に携わり、渋谷東口店店長、取締役兼池袋本店店長として現場を経験。'04年、専務取締役兼商品本部長、'05年に創業者・新井隆二氏の指名を受け代表取締役社長に就任、以来現職

『週刊現代』2020年2月15日号より

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