
[10日 ロイター] -
<為替> ユーロが上昇。欧州中央銀行(ECB)の追加緩和策が一部の投資家の期
待に届かなかったことを受けた。一方、欧州連合(EU)との通商交渉で合意できない可
能性が高まっているという見方で英ポンドは下落した。
ECBは10日、新型コロナウイルスの感染第2波に対応しユーロ圏経済を支援す
るため、追加の金融緩和策を打ち出した。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)
の全体的な規模を1兆8500億ユーロに5000億ユーロ拡大するほか、期間を202
2年3月まで9カ月間延長する。
しかし、INGのマクロ部門グローバルヘッド、カーステン・ブレスキ氏は、「EC
Bは新たなバズーカを示さなかった」と指摘。現在の緩和水準を少なくとも2022年春
まで延長し、それまでにワクチンが効果を発揮することを期待して、ありきたりの手段を
うまくまとめて延長しただけと述べた。
ECBはまた、ユーロが先週に対米ドルで2年半ぶりの高値を記録したことを受け、
中期的なインフレ見通しへの影響を監視しているとも指摘。
TDセキュリティーズの為替戦略担当グローバルヘッド、マーク・マコーミック氏は
、「ECBも最近の為替動向にさりげなく言及し、ドルの下落を強調した」とし、「EC
Bが市場のトレンドを逆転させるためにできることはあまりない」と述べた。
終盤のユーロは0.49%高の1.2082ドル。ドルは対カナダドル
でも0.61%安の1.2741カナダドル。一時は18年4月以来の安値となる
1.2708カナダドルを付けた。
米労働省が発表した12月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み
)は85万3000件と、前週の71万6000件から予想以上に増加し、これもドルを
下押し要因になった。
一方、ムニューシン米財務長官と民主党のペロシ下院議長は、新型コロナ経済対策法
案を巡る超党派の協議に「大きな進展」が見られているとの認識を示した。
英ポンドは0.72%安の1.3305ドル。ジョンソン首相は、EUとの
通商交渉で合意できない可能性が大きいとの考えを示した。ただ、交渉をまとめるために
どこにでも出向くとも述べた。
オーストラリアドルは1.26%高の0.7537ドルで、2年半ぶりの高
値を更新。世界的に成長が改善するとの楽観論が強まり、豪準備銀行による追加緩和の可
能性は低いとの見方が強まった。
NY外為市場:
<債券>
米金融・債券市場:
<株式> 一時の大幅な下げから切り返して取引を終了した。新規失業保険申請件数
の増加が嫌気されたものの、新型コロナウイルス経済対策法案を巡る協議進展の兆しを受
け、持ち直す展開となった。
米労働省が10日発表した12月5日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節
調整済み)は85万3000件と、前週の71万6000件から予想以上に増加。9月半
ば以来の高水準となり、追加景気刺激策の必要性を示した。
これを受け、主要株価指数は下落して開始。S&P総合500種は一時0.7
5%下げる場面もあったが、新型コロナ経済対策法案を巡る超党派の協議について、ムニ
ューシン財務長官と民主党のペロシ下院議長が「大きな進展」が見られるとの認識を示し
たことが支援材料となった。
ナスダック市場に上場した民泊仲介大手のエアビーアンドビーは146ドル
と、新規株式公開(IPO)価格(68ドル)の2倍以上となる初値を付けた。終値は1
44.71ドル。
S&Pのエネルギー株指数は6カ月ぶりの高値で終了。北海ブレント先物が
3月上旬以降初めて50ドルを上回ったことに支援された。経済再開による恩恵を受ける
とみられる銘柄に投資家が注目する中、同指数は今四半期に36.2%高とS&Pの主要
11セクターで最も良好なパフォーマンスとなっている。
米取引所の合算出来高は103億1000万株。
ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.27対1の比率
で上回った。ナスダックでは1.66対1で値上がり銘柄数が多かった。
米国株式市場:
<金先物> 利益確定の売りなどに押され、続落した。
中心限月2月物の清算値(終値に相当)は 前日比1.10ドル(0.06%)安の
1オンス=1837.40ドル。
米労働省が10日発表した5日までの1週間の新規失業保険申請は、前週比13万7
000件増の85万3000件と2週間ぶりに悪化。米雇用情勢の先行きに懸念が広がり
、安全資産として金が買われ、1854.20ドルまで上昇する場面があった。
ただ、心理的節目である1850ドルの水準を保てなかったことで、持ち高調整の売
りや利益確定の 売りが台頭し、値を崩す展開となった。
新型コロナウイルス経済対策をめぐる米与野党の協議の進展に期待が広がっているこ
とも、金の下押し要因となった。
金塊現物相場は午後1時36分現在、1.500ドル安の1834.495ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 新型コロナウイルスのワクチン普及に伴う需要回復をにらんだ買い
が膨らみ、4営業日ぶりに反発した。
米国産標準油種WTIの中心限月1月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.26
ドル(2.77%)高の1バレル=46.78ドルと、3月4日以来約9カ月ぶりの高値
を更新。2月物は1.24ドル高の46.96ドルだった。
米エネルギー情報局(EIA)が9日午前に発表した週報によると、4日までの1週
間の米原油在庫は1520万バレル増の5億0320万バレル。積み増しの規模は、約8
カ月ぶりの大きさで、市場予想(140万バレル減=ロイター通信調べ)に反する結果だ
った。ただ、これを嫌気した売りは一巡し、10日早朝以降は徐々に買い戻しの動きが優
勢となった。
米食品医薬品局(FDA)は10日、米ファイザー・独ビオンテックが共同開発した
新型コロナワクチンの緊急使用許可を承認するための審議を開催。カナダは9日に同ワク
チンの緊急使用を承認済みで、主要な石油消費地である北米市場の経済正常化に伴い、想
定より早くエネルギー需要が回復に向かうとの期待が高まった。また、米追加経済対策の
実現期待も追い風となり、相場は午前に一時47.74ドルまで上昇した。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY午後4時 104.19/104.22
始値 104.53
高値 104.56
安値 104.18
ユーロ/ドル NY午後4時 1.2142/1.2143
始値 1.2088
高値 1.2158
安値 1.2082 米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時46分 99*30.50 1.6270%
前営業日終値 98*16.00 1.6890%
10年債(指標銘柄) 16時42分 99*22.50 0.9063%
前営業日終値 99*12.00 0.9410%
5年債(指標銘柄) 16時43分 99*30.50 0.3845%
前営業日終値 99*26.75 0.4080%
2年債(指標銘柄) 16時00分 99*31.13 0.1389%
前営業日終値 99*30.25 0.1530% 終値 前日比 %
ダウ工業株30種 29999.26 -69.55 -0.23
前営業日終値 30068.81
ナスダック総合 12405.81 +66.86 +0.54
前営業日終値 12338.95
S&P総合500種 3668.10 -4.72 -0.13
前営業日終値 3672.82 COMEX金 2月限 1837.4 ‐1.1
前営業日終値 1838.5
COMEX銀 3月限 2409.4 +10.4
前営業日終値 2399.0
北海ブレント 2月限 50.25 +1.39
前営業日終値 48.86
米WTI先物 1月限 46.78 +1.26
前営業日終値 45.52
CRB商品指数 161.3917 +2.4709
前営業日終値 158.9208
(
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December 11, 2020 at 04:49AM
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NY市場サマリー(10日)ECB決定受けユーロ上昇、ダウ指数は下げ幅縮小 - ロイター
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