ソニーグループ傘下のソニーはスマートフォン「Xperia(エクスペリア)」の新機種を世界各国で発売する。特定のスキルがなくても簡単に動画を編集できるアプリを初めて標準搭載し、夜間の撮影に向く新型の画像センサーも搭載する。一日中スマホを楽しみたい若年層のニーズを掘り起こし、スマホ市場での反転攻勢につなげる。
商品名は「エクスペリア 5 Ⅴ」で学生や新社会人ら若年層に的を当てた機能を充実させた。音楽に合わせてオリジナルの動画を簡単に作れるアプリ「Video Creator」を標準搭載。スマホで撮影した動画から使いたいものを複数選び、希望の動画の長さと使いたい音楽を指定すると約1分で自動編集してくれる。
特別な編集スキルがなくても簡単にオリジナル動画を作り、友人との共有や、交流サイト(SNS)などで公開しやすくなる。ソニーのモバイルコミュニケーションズ事業本部の池荘八氏は「Z世代は動画リテラシーが高いように見えて全員がそうではない。初めて動画を編集する人でも優しいアプリを目指した」と話す。
若年層は昼夜を問わずスマホなどで一日中ネットを使う傾向が強い。総務省の21年度調査では午後11時台でも10代は33%、20代は46%がネット利用していた。全年代(28%)を上回る。
そのため電池の持続性も重視する。5 Vの電池容量は5000ミリアンペア時あり前機種と同じながらも独自の省エネ設計で消費電力を約20%低減した。ネットや動画の閲覧、ゲームなどでスマホを6時間使ったとしても半分以上の電池残量が確保できるという。
5 Ⅴは6月に発売した旗艦モデル「1 Ⅴ」と同様に、グループ内の半導体事業会社、ソニーセミコンダクタソリューションズが開発した新型センサー「Exmor T for mobile」を搭載する。
このセンサーは光を電気信号に変えるフォトダイオード(受光素子)と信号を制御するトランジスタを別々の層に分けた独自の構造が特徴だ。これまでトランジスタがあった部分もフォトダイオードのスペースに活用できることで、より多くの光を集められる。夜間など暗い場所でも人物の表情や風景を捉えやすい。
一日中スマホを使い続ける若い世代向けには、優れた夜の撮影性能が支持を集めやすい。ソニーは他社製スマホと差異化する大きな要素とみている。
一方で前機種のリアカメラは焦点距離の異なるレンズが3つあったが今回は2つとした。新型センサーを導入することを優先し、コスト面での「割り切り」措置をとったようだ。「若年層を取り込むために今回は必要な進化だった」とする。
ソニーGの23年3月期のスマホを含むモバイルコミュニケーションズ事業の売上高は前年同期比2%減の3567億円だった。国内メーカーのスマホを巡っては旧富士通のFCNTが経営破綻するなど厳しい状況が続く。ソフトとハードの両面で若年層を取り込みやすい機能を充実させて、苦境のスマホ市場で生き残りを目指す。
(古川慶一)
from 科学&テクノロジー - 最新 - Google ニュース https://ift.tt/sOlk9fd
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "ソニー、新スマホは若者照準 音楽付動画1分で自動編集 - 日本経済新聞"
Post a Comment